企画展示
企画展『所蔵品紹介 中国と日本の古辞書展』
■開催概要
期間 |
2023年4月29日(土)~10月1日(日) |
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内容 |
古い時代の辞書は、昔の日本語や漢字を知るための貴重な資料です。 |
場所 | 漢字ミュージアム2階 |
料金 | 漢字ミュージアムの入館料が必要 |
■企画展の見どころ
見どころ① 字典の元祖『説文解字(せつもんかいじ)』陳昌治刻本【中国】
最古の漢字字典『説文解字』(漢、許慎撰、100年)。今の漢和字典が採用している部首分類はこの字書が作り出したものでした。
清・同治12(1873)年に出版された『説文解字』の善本を展示します。

見どころ② 皇帝が作らせた権威ある字典『康煕字典(こうきじてん)』(道光7〈1827〉年刊本)【中国】
『康煕字典』は清・康熙帝の勅命により康煕55〈1716〉年に作られた字典の決定版です。
その見出し字の字体は「康煕字典体」と呼ばれ、今でも、規範的な字体のよりどころとされています。
この企画展では清・道光7(1827)年に出版された『康煕字典』を展示します。

見どころ③ 現存最古の漢和字典『新撰字鏡(しんせんじきょう)』(享和本)【日本】
『新撰字鏡』は奈良の僧、昌住(しょうじゅう)によって10世紀初めころに作られた現存最古の漢和字典です。
一字一字の解説の中に、万葉仮名で書かれた和訓が見られます。
展示するのは享和3(1803)年に出版された抄録本です。

見どころ④ 江戸時代の代表的漢和字典『倭玉篇(わごくへん)』(寛永5〈1628〉年刊本)【日本】
『倭玉篇』は室町時代に日本で作られた漢和字典です。
漢文注は少なく、主に漢字の訓読みと音読みとを載せる字典で、室町・江戸時代を通じてさまざまな種類が作られました。
展示するのは洛陽誓願寺下町(現京都市三条寺町)で、寛永5(1628)年に印刷されたものです。

■担当研究者のコメント
『説文解字』や『玉篇』、『和名類聚抄』に『節用集』…漢字関係の本でよく登場する有名な辞典類。書名は知っていても実物を見たことがあるという方は少ないのではないでしょうか。
辞書には昔の人の工夫がたくさん盛り込まれています。「漢字ばっかり並んでいて難しそう…」というイメージが、もしかしたら変わるかもしれません。ぜひその目でお確かめください。